2017年 01月 20日
海苔を掻く
「海苔掻(か)き」。遠い昔、二月になったころ我が家の前の海でも我が母を含め女衆が海苔掻きを行っていた。
解禁日があって、その日は皆、海苔のついた岩に取りつき、ブリキで作った掌に収まる皿で、ガリガリと音を立てて岩のりをかじります。
あちらこちらからガリガリガリガリ、小さな集落の中を響き渡ります。
モンペ姿の野良仕事の格好にカッパ着て、波の飛沫を受け震えながらそれでも掻いていましたね。
寒いので午前で終わり、昼からは採ってきた海苔を洗い、海苔簾に広げ干す。これが海苔掻き仕事の一日でした。
こうやって、自然が生み出す食べものを粗末にすることなく、日々の食料として確保をしていたのですね。
今日、大寒。とある日の雪の舞う鉛色の海が目に浮かぶ。
by silvergray2
| 2017-01-20 15:55
| 世間